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エクスプローラー IIの現代版は、他のロレックスの時計と同様に、最初の登場から大きく変化しているが、ほとんど変化していないところもある。

ブラックのエングレービングされた数字を持つ24時間固定ベゼルや目立つ24時間針は、明らかにオリジナルから直接受け継がれている。ロレックスがやらないこと、そしてこれからもやらないであろうことは、ヴィンテージモデルの複製や復刻である。多くのブランドで採用されていることだが、クラウンでは違うのだ。

チューダー ブラックベイ クロノダーク 79360DK

チューダーがオフィシャル・タイムキーパーを務める『ラグビーワールドカップ2019』。
こちらの【79360DK ブラックベイクロノダーク】はチュードルが2017年からパートナーシップを締結するラグビーのニュージーランド代表の『オールブラックス』に敬意を表して作られたスペシャルモデルです。
1884年の創立から今日までオールブラックスに選出された1181人に合わせた個数のみで初回分は生産され、今後については新しい選手が選出されるたびに追加生産される予定とのことです。

そこで登場するのが「シールド」だ。チューダーはヴィンテージのデザインをあからさまにアピールしてきた歴史がある。ブラックベイ プロのリベットスタイルのブレスレットはその一例で、プロが1655を直接的に連想させるということが、まさにこの時計のポイントなのだ。しかし、1655で採用され、そのままブラックベイ プロに搭載された機能は、実はそれほど多くはないのは注目すべきだ。スノーフレーク針、スノーフレーク24時間針、スノーフレーク風秒針、そして夜光プロットの形状や配分はすべて1655と異なっている。ベゼルのみが、直接的にわかるものとなっているのだ。24時間針の色も1655を意識していると言えるかもしれないが、1655にはもともとダークレッドの24時間針が採用されていた。

つまり、この時計は、実際に機能ごとに分解してみると、1655とはほとんど類似していないのだ。1655を思い起こさせるのは、一部の機能と、1655の最もわかりやすい特徴であるインデックスに垂直方向の仕切りのついた24時間表示ベゼルを借用したことによるものだ。しかし、借りものだからといって、漫然と模倣したわけではない。テンガロンハットをかぶっていても、ローン・レンジャーにはなれない(あるいは、今日の読者には、『トイ・ストーリー』のウッディが馴染むかもしれない)ように。これはたしかにブラックベイ( プロ、である 。エクスプローラー IIの系譜は確かにプロの探検家を指向しているが、なぜ「プロ」なのかはよくわからない)で、1655のベゼルを搭載しているが、それだけのことだ。

もし、チューダーがロレックスや愛好家から、ヴィンテージチューダーのデザインキューではなく、ヴィンテージロレックスのそれで遊ぶことが許されるべきかどうかという質問であれば、答えは、チューダー以外のどこができる、ということになると思う。まず第一に、控えめに言っても姉妹ブランドであること、第二に、ロレックスは決してそれをするつもりはないこと(今年のGMTマスターにつづくものは、我々はもう少し予想外のことを期待したほうがいいかもしれないが)。そして、ブラックベイ プロが、1655を単に模倣することなく、1655を心地よく彷彿とさせる時計であり、しかもストラップ付きで45万5400円(税込)という、ほとんど途方もない低価格であれば、チューダーとその顧客にとってウィンウィンの状況になるのではないだろうか。

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